不動産のプロが教える裏話〜賃貸マンション編〜
新生活をはじめるにあたってこれから賃貸マンションを借りようとしている方、またはお引越しを検討されている方、必見です。現役で不動産会社に勤めるプロが、ここだけの話をこっそり教えちゃいます。これから賃貸物件を探そうと思っている方はぜひ見てください。
〜入居するまでの流れ〜
何と言ってもまずは物件検索から
現在ではインターネットの普及により、自宅での物件検索が可能となりました。不動産屋さんに飛び込むよりも断然効率がよいので、まずは雑誌やインターネットで情報を収集しましょう。
あなたが住みたい物件はいくらくらいか、駅近だと相場はどれくらいかなど、事前に相場を知っておくのも大切です。
ターゲット物件が決定
これは!と思った物件があったら、さっそく不動産屋さんに問い合わせましょう。ネットに掲載している物件は常に最新の情報であるとは限りません。先に契約が決まっている場合もあるので、実際に問い合わせてみるほうがいいですね。
また、実はネットに掲載してある情報はほんの一部ということも多いです。実際に問い合わせると、媒体に出ていない情報も提供してくれますよ。
物件の下見をしよう!
お気に入りの物件が見つかったら、さっそく下見をしましょう。見る物件は、セレクトしていくつかに絞ります。
あまり多く見過ぎても、最初に見たものがどんな物件だったのかわからなくなってしまいます。できればスマホなどで撮影しながら見ると、後から「こんな物件だったな」と思い出せるので便利ですね。写真以外にも気に入った部分をメモするなどして、チェックポイントを押さえておきましょう。
いざっ!申込・契約
実は不動産会社といっても多岐にわたっており、管理会社とリーシングのみを行う仲介会社とがあります。中には、管理をしながら仲介も行っている不動産会社もあります。
※管理:オーナーに代わって家賃を徴収したり、共用部分の清掃やメンテナンスをしたりすること。
管理物件が多い不動産会社は、自社が管理している物件から優先的に紹介するといった傾向がありますので、仮に2つの物件でお客様が悩んでいた場合、管理物件を薦めてくる可能性が高いです。本当にお客様の立場になって物件を探してくれる営業マンかどうか、見極めることが大切ですね。
また、家主さんも、早く決めてほしい、早く家賃収入が欲しいという理由から、優先的に自分の物件に決めてもらえるように、フリーレントというものを設けていることもあります。フリーレントとは読んで字のごとく、無料になるということ。初月賃料が無料、または2カ月〜6カ月間無料といった特典があります。
しかし、これは誰にでも適用してくれるのではなく、言った者勝ちというところがあります。例えば家賃を下げてほしいと交渉をした場合、他の入居者との兼ね合いからそれは難しいけど、初月の家賃をタダにしますよ!といった契約なので、不動産会社自ら提案することはまずないと思います。「フリーレント」という言葉を出せば、この人は詳しいな……と思われ、いろんな案を出してくれるかもしれません。
交渉してみるのも、初期費用を少なく抑えるコツですね。
そしていよいよ契約となったら、宅建主任士が重要事項の説明をします。不明点はその際にきちんと確認しましょう。
引越し準備
無事部屋を契約することができたら、次は引越しです。今住んでいるところが賃貸ならば、退去届を出さないといけません。契約にもよりますが、退去予告6カ月前の予告の場合、今住んでいるところの家賃と新居の家賃を二重払いしないといけないことになってしまいます。今住んでいるところの契約書を確認しておきましょう。
また、新居に入居してすぐに生活できるように、電気・ガス・水道の契約手続きは事前にしておきましょう。
物件を探すときのポイント
日当たりの確認
図面では南向きとなっていても前面に高い建物が建っていて全然陽が当たらなかったり、日当たりがいいように思ってもその時間だけ明るかったりするので、この物件!と決めたら、外からでも時間帯をずらして日当たり具合を観察してみるといいでしょう。
騒音の感じ方には個人差がある
騒音については現地に足を運ばないとわからないことも多いです。交通の騒音がうるさい=便利がいい場所とも言えるので、どちらを重視するか考えた上で、下見にのぞむと良いです。
通勤(通学)のルートや時間
不動産屋の駅から徒歩○分の表示は、80mを1分として換算しています。途中にいくつか信号があれば、当然待ち時間がかかってしまうもの。物件から駅まで実際歩いてみるとよいでしょう。
その他のチェック項目
・洗濯機置き場のサイズと洗濯パンの有無
・冷蔵庫置き場のサイズの計測
・ネット配線は?
・駐車場は現在空いているかどうか
・エアコンの設置個数
・キッチンコンロはガスかIHか
・コンセントの位置や個数
など、生活するにあたって必要となる条件をチェックしましょう。また、もし契約が成立して住むようになると、管理状態も重要になってきます。共用部分の清掃などがきちんとできているか、郵便受けにチラシが散乱してないかなども見ておくと良いです。
どんなところに注意すべきか
金銭面で注意する点
賃貸物件を借りるときは、初期費用がかなりかかります。最低でも敷金(礼金)、前家賃、火災保険料、仲介手数料(家賃の1カ月分)、また保証会社加入を義務づけているところもあるので、その費用などを考えましょう。
借りるときは、月額家賃が毎月払えるかどうかが大きなポイントですが、初期費用をきちんと払えるかどうかも計算してから物件を決めると良いです。
賃貸ならではの注意点
もしフリーレントを適用した場合、契約期間内の退去については違約金に加えてフリーレント分まで加算して支払わなければならない特約がつくので注意が必要です。短期間での解約は不利といえるので、お得な条件につられず、長く住める環境の家を探しましょう。
最後に
いかがでしたか。不動産屋さんに出向くとき、何も知らないで行くのと相場を把握して行くのとでは、営業マンの応対も違ってきます。管理会社がどこであるか、フリーレントが可能かなどを問いかけてみると、今後の契約にも有利になりますのでぜひ活用してみてください。いい物件が見つかることをお祈りします。