知ってる?賃貸住宅の火災保険。必見!大手保険会社5社の保険内容を大分析!

知ってる?賃貸住宅の火災保険。必見!大手保険会社5社の保険内容を大分析!

賃貸住宅にお住まいの方、またはこれから引越しを検討されている方。火災保険は強制か任意か、保証項目にはどのようなものがあるか、など火災保険の基礎知識はお持ちでしょうか。
万が一の火災や災害に備えて、安心して生活するために自分に必要な火災保険はどのようなものなのか、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

賃貸住宅の火災保険って何だろう?

賃貸契約時の火災保険加入は必要?強制なの?

大学進出や新社会人、人事異動での転勤など、不動産の賃貸借契約を締結する際、同時に火災保険に加入したという方も多いと思います。仮に自分が借りている部屋から火を出してしまい、部屋や建物に延焼してしまったという場合、損害賠償をすべきなのでしょうか?

この場合、「失火責任法」の規定によれば、失火者に「重大な過失」がなければ損害賠償責任は負わないこととされています。そこで、自分の部屋が火元となった火事は自己に重大な過失がない場合には、賃貸人に対して建物の建て替え費用などを賠償する必要はないということになります。

他方、隣室が火元となった火災が自己の部屋に延焼した場合にも、相手方に重過失がない以上、失火者に家財一式などの弁償を請求することはできません。
そこで、建物所有者は賃貸住宅に火災保険をかけて万一の場合に備えています。

そうであるとすれば、賃借人である私たちは何のために火災保険に入るのでしょうか?
前述の通り、火災を起こしても重過失がない限り損害賠償責任は負いませんが、賃借人は契約が終了し建物を明け渡す際に「原状回復義務」を負います。この義務を怠った場合は、賃貸借契約の不履行責任として損害賠償責任を負うことになるため、火災保険に入ることとなります。

また、その他の水害や爆発といった災害で建物や家財などが損傷した場合にも補償してくれるものがあります。
この賃貸物件に入る火災保険は任意であり、強制ではありませんが、多くの賃貸物件では火災保険への加入が契約の条件とされています。
非常時に自分を守るためにも、火災保険に加入することをおすすめします。

不動産会社が指定する保険じゃなきゃダメ?

賃貸借契約を締結する際、火災保険も同時に示され、加入する場合が多いと思います。しかし、前述の通り火災保険は強制ではなく、あくまで賃貸借契約とは別個の契約ですので、不動産会社が指定する保険を選ぶ必要はありません。

賃貸住宅の火災保険の基礎知識

いま入っている保険の内容は知っている?

賃貸住宅の火災保険の必要性が理解できたところで、現在ご自身が加入している火災保険の内容は把握できているでしょうか?

賃貸借契約締結時になんとなく加入して、その具体的な内容や金額を把握できていないという方も多いのではないかと思います。この際、契約の内容を確認して、自分の生活に合っているかを検討してみてはいかがでしょうか。火災保険料を支払いすぎている場合には、思いがけず節約につながるかもしれませんよ。

火災保険の保証項目

補償内容は契約内容によって変わってきますが、火災保険の保証項目の中には以下のようなものがあります。

*火災・落雷・破裂など
火災や放火、雷が建物に落ちたことによる損害、ガズ漏れなどによって破裂や爆発が起こった場合

*風災・雹災・雪災
台風や暴風雨、雹、雪崩、豪雪による被害

*水災
台風や豪雨、大雨による被害

*物体の落下・飛来・衝突
建物の外から物体がぶつかるなどして発生した損害

*水漏れ
給水排水設備の故障や、他の部屋からの水漏れなどによる損害

*盗難による盗取・損傷・汚損
泥棒などに家財を盗まれたり傷つけられたりした場合

*不測かつ突発的な事故
謝って自分で自宅の壁などを破壊してしまった場合の損害

借家人賠償責任補償

次に、借家人賠償責任保険について説明します。これは賃貸している住宅が火災や爆発事故、水漏れ事故により生じた損害について、賃貸人(大家)に対する法律上の賠償責任を補償する保険です。

この保険は、単体の保険ではなく、通常は上記で説明してきた火災保険の特約付帯となります。
借家人の軽過失により火災が発生した場合でも、原状回復義務は失火責任方で免責されないので、万が一の事態に備えて加入しておくと安心です。

火災保険の料金と相場

火災保険の料金は、その保証内容や家の構造などによって金額が異なりますので一概には言えませんが、例を幾つか載せておきますのでぜひ参考にしてください。

(1)日新火災ー保険料:4000円、家財:100円
(2)全労済ー保険料:7950円、家財:300円
(3)ジェイアイ傷害火災ー保険料:6000円、家財:185.9円
(4)富士火災ー保険料:23415円、家財:1010円

家財保険は入るべき?

では、火災保険の特約としての家財保険には加入すべきでしょうか?家財保険とは火災で燃えたり損傷した家財を新品で買い直せる保険金が出るものです。不動産業者が入居者に家財保険の加入を求めるのは、それとセットになっている「借家人賠償責任保険」に入ってもらうことが主な目的とされます。

借家人賠償責任保険のない入所者が火災を起こして被害の賠償金が支払えないと、建物の所有者・賃貸人が大きな損失を被り、入居者自身も経済的に追い詰められかねません。よく家財保険と借家人賠償責任保険がセットになっているのは、借家人賠償責任保険だけでは保険料が安く、保険代理店はビジネスとしてそうせざるをえないという現実があります。

そうであるとして、家財保険が全く無駄かと言えばそうではありません。保険によって部屋の原状回復を行うことができても、家財が揃っていなければ今までと同じような生活を送ることはできません。
自分の家にある家財評価に見合う家財保険を探してみるのはいかがでしょうか。

引っ越す時は解約できる?

賃貸借契約終了時などに、火災保険の解約をすることはできるのでしょうか?その答えは、ズバリ「YES」です。火災保険の解約はいつでも行うことができ、支払った保険料も返還されます。

引越しなどで解約する必要が出た時には、まず、現在加入している火災保険の保険会社に連絡をして解約に関する書類を郵送してもらいましょう。書類が送られてきたら必要事項を記入し、保険会社に返送すると返戻金が指定口座に振り込まれます。
返還される保険料の金額は保険会社によって算出方法が異なるので、保険会社に確認をしておきましょう。

自分で賃貸の火災保険を選ぶなら?

数社から見積もりを取ろう!

火災保険の保険金額は、保険会社が試算した建物の評価額を元に決定することが一般的です。ただし、保険会社によって細かな試算条件が異なるため、同じような条件での契約であっても額が同じになるとは限りません。具体的には、一戸建てか分譲マンションか、建物の構造は何か、広さはどのくらいか、所在地はどこか(不動産がある都道府県)、などどいったさまざまな条件によって変化します。

そこで、自分で賃貸の火災保険を選ぶ際には、ご自身が希望する条件で数社の保険会社から見積もりを出してもらうことをおすすめします。
保険代理店などのサービスを利用すれば、その建物にあって補償内容などの見積もりを出してくれるので、それを基準として判断すると労力を軽減することができます。

インターネットで申し込みできる場合も

火災保険・家財保険の中には、インターネット申し込みをすることができるものもあります。パソコンやスマートフォンから24時間いつでも申し込みを行うことができるので、お仕事で忙しい方などは場所や時間にとらわれずに保険に加入することが可能です。

また、支払いもクレジットカードとコンビニ払いに対応してくれるところもあり面倒な現金の取り扱いの必要がないので、忙しい方はインターネット申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。

大手保険会社の火災保険を比べてみました☆

東京海上日動

*トータルアシスト住まいの保険

保険料収入が業界ナンバーワンの大手損保会社、東京海上日動が提供している火災保険は、「トータルアシスト住まいの保険」です。「戸建充実・戸建スタンダード・マンション向け」という3つの基本補償プランを用意しています。

各プランとも特約を自由に設定することができ、個人賠償責任補償特約や、借家人賠償責任補償特約などが代表的な特約となっています。他社と比べると、「4つのアシスト」という独自のサービス(無料のもの、有料のものに分かれる)を提供している点が特徴的です。
以下では、4つのアシストを含む、その他のオプションについてまとめておきました。

【無料】
・事故防止アシスト:安全運転に役立つ情報や防災・防犯の情報をネット上で提供
・メディカルアシスト:24時間、緊急医療相談に電話で対応。

【特約】
・緊急時助かるアシスト:鍵のトラブルや水回りのトラブル対応サービス
・住まいの選べるアシスト:火災、雷電、破裂・爆発事故など、事故後の再発防止策としてお好みの補償メニューを選べる

その他に、費用保険金として、残存物取片付け費用保険金、損害原因調査費用保険金、仮修理費用保険金などの費用の補償があるため、店頭やwebページで確認してみてください。

三井住友海上

*リビングFIT

三井住友海上の、賃貸向けの火災保険は「リビングFIT」です。特徴としては・・・

(1)ご自宅の家財が火災等にあった場合だけでなく、盗難や偶然の事故で家財を壊した場合、汚した場合まで補償してくれる点
(2)大家さんへの賠償責任や日常生活での賠償責任を補償してくれる点。
(3)同居人の方の家財も補償してくれる点
です。
同居人の家財は補償の対象外とする保険会社もあるので、この(3)の点は非常に魅力的です。

損保ジャパン日本興亜

*THE家財の保険

損保ジャパン日本興亜が用意している、賃貸向けの火災保険は「THE家財の保険」です。その特徴を以下にあげます。

(1)大家さんへの損害を補償。
この記事でもご紹介したように、借家人賠償責任補償が自動セットになっており、部屋が偶然の事故により損壊した場合において、法律上の損害賠償責任を負った時にその損害賠償金が支払われます。
任意のセットとして、部屋が偶然の事故により損害をうけ、緊急的に修理を行い負担した修理費用を補償してくれる修理費用補償をつけることができます(自己負担額は3000円)。
(2)自然災害を始めワイドな補償が頼もしい
THE家財の保険では、火災を始めとして、家に空き巣が入り家財が盗まれてしまった場合、排水管が破裂して家具が水に濡れてしまった場合、子供がテレビにものを投げつけて壊してしまった場合など、単純な火災だけでなく事故や事件で損傷した家財の補償まで行ってくれます。
(3)同居人の家財も補償
被保険者が所有する家具だけでなく、同居人が所有する保険証記載の部屋に収容されている家財もあわせて補償します。
(4)家財の保険金額は、新価の範囲内で自由に設定
家財の評価額の全額を補償しようとする場合、保険料の負担が大きくなり、かといって一部しか加入しなければ損害額の一部しか支払われません。そこで、お持ちの家具をそろえるのに必要な金額の範囲内で自由に保険金額を設定することができます。

富士火災

*ライフパートナーα

富士火災の賃貸向け火災保険は、「ライフパートナーα」です。その特徴を以下にあげます。

(1)日常生活の安心をサポートうる充実の補償
家財の補償だけでなく、貸主への損害賠償事故の補償、日常生活での損害賠償事故の補償まで含まれています。
(2)家財の損害に対する保険金は、新価を基準に実際の損害額を支払ってもらえる
保険の対象と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再取得するのに必要な金額を受け取ることができます。
(3)示談交渉をサポート
これが富士火災の火災保険の最大の特徴です。借家人賠償責任補償がついているものでも、示談交渉まではその内容に含まれていないものが多いので、示談交渉から保険会社に任せたいという方にはおすすめです。

あいおいニッセイ同和損保

*TOUGH住まいの保険

あいおいニッセイ同和損保の賃貸向け火災保険は「TOUGH住まいの保険」です。特徴を以下にあげます。

(1)充実した補償
大切な家財である「建物」「家財」を対象に、火災だけでなく風災や水災などの自然災害、盗難、破損、汚染などの偶然の事故までしっかりと備えてくれます。
(2)頼れるサービスと安心の事故対応
給・排水管のつまりの除去などの水まわりクイック修理サービス、玄関ドアの鍵の紛失、盗難など玄関ドア鍵開けサービスを受けることができます。
(3)環境配慮と社会貢献
パソコンなどからいつでも契約内容や約款を閲覧することができます。

最後に

いかがでしたか?火災保険の基本的な知識もそうですが、賃貸向けの火災保険は、保険会社によってその内容が大きく異なることがわかります。今住んでいる賃貸物件の構造や周辺環境などによって必要となる保証内容が変わってくるので、現在加入している火災保険を確認し、見直してみるのもいいかもしれません。
無駄な部分はしっかり削って、必要な保証を手厚くすることで安心した生活を送ることができます。
ぜひ、参考にしてみてください。

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